[完]全力恋奏~音に乗せて~
「柊羽?」
「ん?」
ちゅ、と音をして、私は柊羽にキスをした
「大好きだよ!」
「ばーか」
なーんて言い合いながら歩いていてて着いたのは、カフェ
それがものすごくオシャレそうで、けれどどこか暖かみのある感じだった
「ここ?」
「俺の知り合いが経営してるんだ」
「へぇー」
まだまだ柊羽のこと知らないことばかりだなぁ……
一緒にいて知ったことがたくさんだと思ったけど、知らないことの方が多い気がする
カランカラン_______________
という私たちの来店を知らせる音とともに聞こえたのは、
「いらっしゃい!って柊羽じゃねぇか!」
という明るくて低くて心地のいい声
「深弦(mituru)久しぶり!」
「え、彼女?!かわいいじゃん!」
私を見て、目を見開いてびっくりするその顔は、とても整っていてドキッとするくらい
「おい」
深弦さんを見ていたら、横から不機嫌な声が降ってくる
「えへへ」
見すぎと言って私の頭をコツンと叩いた