[完]全力恋奏~音に乗せて~
そこで私もハンバーグを一口分取って、あーんとした
なのに、自分でしてたのに、私がしたら顔を真っ赤にして無理だと言った
「私にしたくせに……」
ぷぅっと、ほっぺをふくらませて拗ねる
がぷっ
食べたぁ!
「ど?美味しいでしょ!?」
「……ん、んまい」
顔を真っ赤にしたまんま、口を手で抑えてそう言う
デザートも二人で分け合って食べた
「深弦さんありがとうございました!」
「おう!またおいでね」
「はい!」
話をしていると、間に割り込んで、じゃあなと私を連れて出た
お店から出ても不機嫌に変わりなくて、立ち止まる
「おい、しずく」
「なんでそんなに機嫌悪いの…?」
楽しくないのかな…何故だかものすごく不安にかられた
「……ただの嫉妬」
「え、」
「カッコ悪いじゃん!……ったく…嫉妬してたんだよ、深弦カッコイイし」
「変わらないね?」
文化祭の時とか、前に付き合っていた頃と変わらない柊羽に嬉しさを感じた