[完]全力恋奏~音に乗せて~
『おふたり様ですかぁ〜?』
「はい」
可愛い服を着たお姉さんに返事をして、私から乗った
私が乗った方と向き合うように座った柊羽
「ドキドキだね」
「ああ」
柊羽は、緊張すると自然と素っ気なくなる
「きれーい!」
窓にへばりついて観ていた私に、柊羽が窓から私の手を離す
「手。冷たい」
「……寒いから。少しだけ」
3月末とはいえど、まだまだ寒い季節
しかも観覧車はすきま風が吹いていて余計……
「しずく」
「どうしたの?」
目を泳がせて、暫くしてから
静かに私にキスをした。
それは、頂上だったんだ_______________