[完]全力恋奏~音に乗せて~


ー柊羽sideー


ちょっと意地悪したくて言った言葉なのに、それに自分でも理性が抑えきれなくなってて。


まじで馬鹿みたいだって自分でも思う。


部屋に行く時に、しずくの顔をちらっと見れば、俯いてても赤くなってるってわかるくらいで。


まじで、抑えられる気が全然しない。



「しずく」


着いたよって言おうとしただけなのに、ビクッと肩を上げる。


挙句の果てに、潤んだ瞳で上目遣いで見てくるものから……


「しずく?」


「な、なあに?」


「その顔ダメだって、ずーっと言ってきたよね?」


そう、付き合う前からずっと言ってきた。

なのに、無自覚だからなのか、それは今も続いてる


「その顔って…整形しないとダメじゃん…」


真っ赤にしてたと思ったら、今度はほっぺをぷくってして拗ねるし……


はぁ、もう、なんでこんなに可愛いんだよ…


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