[完]全力恋奏~音に乗せて~
……って、あれ?
おかしいな…何でこんなに胸が痛いんだろう?
「へぇー、誰誰〜!?」
心なしか、紅ちゃんはどこか楽しそう
「教えねぇよ?」
「えー?気になるよ、ねー?しずくー?」
「ふぇ?」
突然のふりに、こんがらがって変な声が出ちゃう私
隣を見ると新村くんが私の顔を覗き込んで、「そうなの?」
って見てて
逆の隣を見ると、紅ちゃんが、ね?ってニヤニヤしてて
もう、どうしたらいいんですかー?!
「お二人さん、園村さん困ってるじゃん」
その声にびっくりしたのは、私だけじゃないみたい
「え、あ、…や……」
なんて言ったらいいのかわからない私の腕を引っ張って、飯倉くんが私を連れ出した