[完]全力恋奏~音に乗せて~
定期演奏会
ある日の放課後
もう5月8日…定期演奏会まであと2日
しばらくの間、新村くんと話してなかった
あの日、飯倉くんに連れ出された日から、1度も
だから、かれこれ2週間は話してない
前はこれが普通だったのに……私欲張りになったなぁ
ひゅっ……〜♪♪♪♪♩♬♭♪♪〜
届いて欲しい
届くことがなくても、あなたへ
ゲホッ……ゲホッゲホッ……っ!
……風邪……?
困ったなぁ……明後日なのに……
「園村さん?」
どこか聞き覚えの声が聞こえて、振り向くと、体育館裏なのに何故か飯倉くんがいた
「飯倉くん?」
「風邪?」
「……んー…なんかそうみたい…」
「鼻声だし……あ、俺のど飴あるんだ!でも今ないからさ、帰りよかったら一緒に帰らない?」
「…そ、っ!それは申し訳なっ……ゲホッゴホゴホッ」
「はい、決まりね!」
そう言って颯爽と去っていった
……紅ちゃんに申し訳ないよ……