[完]全力恋奏~音に乗せて~
無事全国出場が決まって、それぞれ余韻に浸りながら帰路についた
「しずく!またね」
「はい!お疲れ様でした」
先輩や皆に挨拶をして帰る
時刻は19時半を回ったところだった。
…新村くんは夕飯かな…?
今すぐこの喜びを伝えたくて、誰かに伝えたいけれど
誰でもいいわけじゃなくて……
新村くんに、伝えたい
応援してくれる大切な人だから……何より、好きな人、だから。
「がんばってる…よね」
頑張ってるかどうかなんて、考えなくてもわかるくらい、新村くんは頑張ってる
上を見上げて歩いていると、肩を後ろから叩く人がいた
振り返ると……
「よっ!」
同じ部活の、一つ上の男の先輩がいた
その人は、いわゆるイケメンさんでモテモテです
男の人なのに、繊細なフルートの音を出す唯一無二の存在
「優生(yuki)先輩」
「園村おつかれ!」
「お疲れ様です」
優生先輩はいつも素敵な笑顔で、笑ってないところを見たことが誰もいないくらい
あ!もちろん、授業中は違いますよ?