[完]全力恋奏~音に乗せて~
「……はあ」
入院してから数週間、毎日溜息ばかり
誰にも言わないようにってお願いしたからか、誰も来ない
あんな事があってから、誰にも会いたくないと思ってしまう
「しずくちゃーん!検査の時間だよー!」
「はい、」
検査の時間のため、私を車椅子に乗せて看護師さんが私を連れていく
優生先輩がどうなのかは知らない
……
「あの、」
「なぁに?」
「……優生先輩、は元気でしょうか?」
「…うん、元気よ」
何となく、まだ本調子ではないこと、気がついていた
看護師さんの反応がおかしかったから
「あなたが責任を感じることはないわよ」
看護師さんは、私の痛みを理解してくれている
その上で、そう言ってくれているきがした
けれど、あれは、私の責任以外の何者でもないもの
途中、一つの病室に目がいった
その中には……「優生先輩……っ!」
私がそんなことを言うとは思わなかったのか、びっくりした看護師さんは、止まった
「……」
病室の中にいるその彼は、言っりとこっちを見て、目を見開いた
「その……むら…」
「優生先輩…ごめんなさいっ…」
それだけ言うと、看護師さんは、再び歩き始めた