[完]全力恋奏~音に乗せて~
だから、優生先輩からとても微妙な距離にいる私に何も言わず……?
「弱くてごめんな、俺…もっと強かったら、守ってやれてたのにな」
私は必死に首を横に振ることしか出来なかった
そんなことないっ……!
だって、私は…私は……!
「例え、結果が、っ、こうなってしまっても……あの時私を守ってくれようとしてくれなかったら……もっと酷いことになってたかも知れませんっ……っく……だから、……先輩も、責めないでっ……!」
「……っ……ありがと……」
最後先輩は、また外を見た
その顔が切なく歪んでいたことを、私は知るよしもなかった