[完]全力恋奏~音に乗せて~
「……」
「しずく…?」
私が大丈夫だと知って、私の横に座った
そして、私の顔を覗き込んでどうしたの?と聞く
心臓が加速する……けれど、どうしたらいいの?
私……汚く……ない?
不安ばっかり募っていく
「新村くん」
「どうした?」
「……私……汚く、ない?」
怖くて顔を見られない。ずっと下を向いていると、新村くんは私に顔を上げてと言った
「しずく」
「汚いなんて、誰が言ったの?」
……っ!
「誰かが言ったなら、俺はそいつを殴る。」
……にいむらく……っ
「少なくとも…俺は、絶対に!そんなこと1ミリも思わない」
……どうして……
どうしてそんな…私を救ってくれるようなこと、言ってくれるの?
私が欲しかった言葉を、いとも簡単にくれるの?
「……っう……うあああっ……!」
あぁ、情けないな、本当に。
こんなに子供みたいに、大声あげて泣け叫ぶなんて
ましてや新村くんの前でなんて……笑っちゃうよ
それに、新村くん……そこで頭を撫でられたら、逆効果だよ……
「こわっ……かった…」
「うん、しずくは頑張ったよ」
私は、頑張ってなんかないよ…優生先輩の夢を壊して
「……っうう……っく……」
あの男の人たちも怖かった
けれど、新村くんにどう思われるか
嫌われてしまうことが、とてもとても怖かったんです……