[完]全力恋奏~音に乗せて~
✿重奏✿
いつまでも
結局、全国大会で優勝……?は出来ず、先輩たちともお別れとなった
優生先輩は、まだ学校へ顔は出していないみたいで、皆心配していた
「し〜ずく!」
「紅ちゃん……」
夏休みも目前となった学校では、皆休みの計画を立てています
「あーもー!そんな顔しないのっ!」
多分、バツが悪そうな顔をしていたのかな……?
紅ちゃんが、私の頬をつまんで、左右に振ってきた
「ふぇにひゃん、いひゃいよ」
「あはは!もう〜かわいい!ね?笑って!」
「夏休みまであと1週間だし!」
……けれど…優生先輩がまだ学校へ来れてない今…そんなこと……
「しずくっ!ちょっと、放課後付き合ってほしいところがあるんだけど、いい?」
「えっ……と…けど、部活…」
「今日、吹部休みだって!何か先生が!たまにはーって!」
えぇ……でも連絡されてないし…本当かな…
なんて、失礼だよね、私!もう!
「嘘じゃあないよ(笑)」
「えっ!?」
「顔に出すぎ(笑)」
そっか……そうかなぁ?
けれど前にも確か、新村くんに言われた気がする……
「とにかく!放課後お願いっ!」
頭を下げて、手をパンっと顔の前で合掌してお願いする姿に、断れなかった