[完]全力恋奏~音に乗せて~
「……」「……」
「え……?」
今、なんて……
私のことが、好きと……優生先輩が、私を…って!えええええええ?!?!??!!??!
「どっ、どどどどどうしてですか?!」
「はははっ!予想通りの反応だなっ」
さわやかな笑顔を見せる先輩
予想通り…って……
「どうしてなんてさ、理屈じゃないだろ?」
……理屈じゃ…ない
「入部してくれてさ、少ししてから一緒にフルートパートやるってなったの覚えてる?」
確か…あれは、入部して一ヶ月くらいたった頃
私と優生先輩が、フルートパートを担当することになって…
「はいっ!もちろんです」
「あの時、練習でグラウンド借りたでしょ」
確かに、グラウンドの端で練習していた覚えがある…
「はい」
「あの時しずくの吹く姿、音、あと、話しているうちにその性格も分かってきて…好きにならない方が、無理だった」
「……先輩…」
「しずく…自覚してないだろうけど、ものすごく整った顔してるんだよ?」
……え?
それは……絶対に、ないですっ!
「……俺振られるって分かってる。何でだろうな…あの日あいつが来た時からかなー」
……それって
「新村くん…ですか?」
「ははっ、うん。そうだよ…柊羽が俺の病室まで来て、聞いてきたんだ。しずくもこの病院にいますよねって。」
そう、だったんだ……けど、あれ?おかしいな…だって、優生先輩がこの病院にいることを知ってて、ん?
もしかして……
「優生先輩と新村くんって、知り合いだったんですか?」
「あぁ、柊羽の兄貴が俺の親友だからな」
「……えええええええ!?!」
「笑わせてくれるね(笑)……あの時、必死だったよ。教えてくださいって。珍しく敬語なんて使って……その時、あぁ、負けたなって」