[完]全力恋奏~音に乗せて~
やっぱり、心が痛いです……先輩
「……そんな……」
どうしてでしょうか…?
「柊羽が好きなんだろ?」
「……せんっ……ぱ」
「柊羽はいい奴だよ。俺に気なんて遣わなくていい。だから、思う存分、想っていればいいんだよ…思う存分、恋してたらいい」
もう、先輩にかける言葉が無くなっていた
「だからさ、今まで通り、同パートの先輩くらいに思っててよ!2人のこと、応援させてよ!協力、させてくれ」
「……っく…っう……は、いっ……せんぱっい、ありがと、ございますっ……」
「しずくは泣き虫になったな!」
そう言って笑って、私の頭を撫でた
「ありがとうな!今日。俺しばらくしたら退院出来っから、それまで、な!」
「先輩……」
「ん?」
「ありがとうございます!また、会いましょうね!」
思いっきりの笑顔を作った
ちゃんと笑えた
先輩は、私の笑顔を見た時切なそうに微笑んだ気がするけれど、もう、前を向ける気がする
優生先輩……ありがとうございます
私が出る時、「〝また〟があればいいな」と言っていたのは、私には聞こえなかった