[完]全力恋奏~音に乗せて~

「話しなよ、私下に居るから」

と小声で言ってくれた

「あ、ありがとう」

ニコッと微笑んで、出て行った

……やっぱり紅ちゃんの笑顔は破壊力抜群だよ…

恐る恐る、そっと耳に携帯をあてる

「も、もし、もし」

『…!?え??えーとっ…しずく?』

「こ、こんばんは…」

『なっ…えーっと……あいつ…ーーーー』

「あ!ごっ、ごめん、ね?何だか…代わってしまって」

あまり代わって欲しくなかったのかな…?

『いや、そういう訳じゃないよ!ただ、びっくりしただけ』

「あ、そっかぁ…よかったぁ」

『……』

「……」

な、何話そうーーーーー

今考えてみると、いつも話しかけてくれるのは新村くんで、私からって無かった気が……

焦っていると、やっぱり話してくれたのは新村くんだった

『あのさ、花火大会、しずくも行くの?』

「うん!私は毎年言ってるから」

『そっか…浴衣?』

「そうだよ」

『それなら俺も行かないとな…しずく行くなら俺が行ってナンパされないようにしないと』

……?新村くんの言っていることがよく分からないけれど…取り敢えず行ってくれるなら良かった!

「飯倉くんのことも誘っておいてもらえるかな?」

『……うん…あのさ、もしかして…』

突然低くなった新村くんの声にドキリとした

「うん?」

けれど、やっぱりいいやと言って、話は終わった

「じゃあ、また」

『じゃあね、おやすみ』

……

何か気に障るようなこと言ったかな…?

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