[完]全力恋奏~音に乗せて~
下へ行ってリビングに入ると、紅ちゃんは楽しそうにお母さんとお兄ちゃんと話していた
「あ!終わった?!」
私に気がつくと、ニコニコ笑顔でそう言う
「紅ちゃん、ありがとう!」
「んーん!じゃあ、おやすみなさい!」
お母さんとお兄ちゃんに挨拶をして、部屋に向かった
時刻は22時
私と紅ちゃんは布団に入って向き合った
「柊羽来るって?」
「うん、行くって言ってたよ!……けど」
「けど?」
突然元気のなくなった私の声に不思議そうにする
「飯倉くんも誘っておいてほしいって言ったら、何だか起こっちゃったみたいで…私なにかしたかな?」
そう言うと、紅ちゃんはニヤニヤしながら、そのままでいいよと言ってくれた
「じゃあ、おやすみ」
そう言って、2人で就寝についた
「しずく…」
「どうしたの?」
「……翔亮、来てくれると思う?」
いつになく不安そうな紅ちゃんの顔に、私は迷いなく頷いた
「飯倉くんは理由もなしに来ないような人じゃあないと思う」
「……そっか。そうだよね」
少しだけ安心したような顔をしていて安心した
「そういえば、紅ちゃんは中学のいつから飯倉くんが好きなの?」
「…中1からかなー?…小学校の時は仲のいい男子〜って感じだったんだけど…」
「うん」