あなたを忘れられないまま
プロローグ
五年前に切った髪は、もうだいぶ伸びた。
二、三年は伸ばせずに切っていばかりいたけれど、四年が経つ頃には切らずに伸ばせるようになり、五年経った今、ほぼあの頃と同じ長さになった。
いつもの公園で、星空を眺める。
夜風に伸びた髪がなびく。
涙がこぼれそうになるのをぐっと堪え、笑顔を作る。
―――――やっとここまで来た。
もう迷わない。
もうあの頃の私とは、違う。