一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
やっぱり信じられない。
あの成人式の写真の私を見てお見合いしたいとか。
顔はうろ覚えだけど、以前テレビで見たとき、女性が放っておかないほどカッコイイ人だったと思うから。
南家のひとり息子とくれば、世間が放っておかないはず。なのになぜ私?
腑に落ちないし、疑問は増すばかりだけど……。
お父さんは深く頷いた後、神妙な面持ちで言った。
「なにはともあれ、お声が掛かった以上、受けないわけにはいかない。……腹を括ってくれ」
「腹を括れって……」
あまりに突然すぎる話に、すぐに頷くことなどできないよ。
テレビから陽気な笑い声が聞こえてくる中、お父さんは急に開き直ったように話し始めた。
「な~に、実物のお前と会ったら、向こうから断ってくるさ! よく考えてみろ、相手は世界の御曹司様だぞ? そんな方が実物の美弥と会っても気に入ると思うか?」
娘に向かってなんて失礼なっ……! けれど、悔しいことにお父さんの言うことは最もだ。
あの成人式の写真の私を見てお見合いしたいとか。
顔はうろ覚えだけど、以前テレビで見たとき、女性が放っておかないほどカッコイイ人だったと思うから。
南家のひとり息子とくれば、世間が放っておかないはず。なのになぜ私?
腑に落ちないし、疑問は増すばかりだけど……。
お父さんは深く頷いた後、神妙な面持ちで言った。
「なにはともあれ、お声が掛かった以上、受けないわけにはいかない。……腹を括ってくれ」
「腹を括れって……」
あまりに突然すぎる話に、すぐに頷くことなどできないよ。
テレビから陽気な笑い声が聞こえてくる中、お父さんは急に開き直ったように話し始めた。
「な~に、実物のお前と会ったら、向こうから断ってくるさ! よく考えてみろ、相手は世界の御曹司様だぞ? そんな方が実物の美弥と会っても気に入ると思うか?」
娘に向かってなんて失礼なっ……! けれど、悔しいことにお父さんの言うことは最もだ。