一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
南さんはまるで安心した猫のように私の肩に体重を預けたまま、ポツリポツリと語り出した。
「嬉しいな。……ミャーが心配してくれるなんて」
「南さん……」
また苦しいくらい胸が締めつけられてしまう。それと同時に切なくなるよ。
いつも気を張って過ごしているのかと思うと、余計に。
次第に緊張は解けていき、彼のぬくもりに胸の奥がむず痒くなっていく。
「ありがとうね、ミャー。……こんな僕にも信用できる人はちゃんといるんだ。父親もそうだし、重役の中にも数名いる。それに、ミャーもさっき会った秘書の真理愛も」
彼の口から出た笹本さんの名前に、少しだけ身体が反応してしまった。
そっか、ちゃんといるんだ。会社内に南さんが信用できる人が。
聞けて安心できたはずなのに、その中のひとりが笹本さんって聞いただけで、心が落ち着かなくなってしまう。
「そう、ですか。……それならよかったです」
精一杯の強がりの言葉を口にしてしまう。本当はよかったなんて、心から思っていないくせに。
そんな私の胸の内を知らない南さんは、笹本さんの話を私にしてくれた。
「嬉しいな。……ミャーが心配してくれるなんて」
「南さん……」
また苦しいくらい胸が締めつけられてしまう。それと同時に切なくなるよ。
いつも気を張って過ごしているのかと思うと、余計に。
次第に緊張は解けていき、彼のぬくもりに胸の奥がむず痒くなっていく。
「ありがとうね、ミャー。……こんな僕にも信用できる人はちゃんといるんだ。父親もそうだし、重役の中にも数名いる。それに、ミャーもさっき会った秘書の真理愛も」
彼の口から出た笹本さんの名前に、少しだけ身体が反応してしまった。
そっか、ちゃんといるんだ。会社内に南さんが信用できる人が。
聞けて安心できたはずなのに、その中のひとりが笹本さんって聞いただけで、心が落ち着かなくなってしまう。
「そう、ですか。……それならよかったです」
精一杯の強がりの言葉を口にしてしまう。本当はよかったなんて、心から思っていないくせに。
そんな私の胸の内を知らない南さんは、笹本さんの話を私にしてくれた。