一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
娘って……! いや、お見合いっていったら将来を見据えて当たり前なのかもしれないけれど、飛躍しすぎた話に思考が追いつかない。
「颯馬、ちゃんと美弥さんを送って差し上げなさい」
「わかってるよ」
彼の返事を聞き、南会長は満足気に顔を綻ばせた。
「では美弥さん、また近々お会いしましょう」
「……はい」
返事をしながらも思いがけない急展開にお父さんを見つめてしまうと、お父さんは頑張れと言うように頷いた。
いや、頑張れじゃないよ! 頑張れないよ!!
もちろん口に出すことはできず、最後までお父さんにすがる思いで視線を送るものの、上機嫌な南会長とふたり、個室を出て行ってしまった。
思わずふたりが出て行ったドアを、途方に暮れながら見つめてしまう。
いきなりふたりっきりにされ、先ほどまで会長とお父さんの声で賑やかだったのに、室内はシンと静まり返ってしまう。
タイミングよくふたり分のデザートと珈琲が運ばれてきてホッとしたけれど、すぐにまたふたりっきりになってしまい、ひたすら視線を泳がせてしまう。
「颯馬、ちゃんと美弥さんを送って差し上げなさい」
「わかってるよ」
彼の返事を聞き、南会長は満足気に顔を綻ばせた。
「では美弥さん、また近々お会いしましょう」
「……はい」
返事をしながらも思いがけない急展開にお父さんを見つめてしまうと、お父さんは頑張れと言うように頷いた。
いや、頑張れじゃないよ! 頑張れないよ!!
もちろん口に出すことはできず、最後までお父さんにすがる思いで視線を送るものの、上機嫌な南会長とふたり、個室を出て行ってしまった。
思わずふたりが出て行ったドアを、途方に暮れながら見つめてしまう。
いきなりふたりっきりにされ、先ほどまで会長とお父さんの声で賑やかだったのに、室内はシンと静まり返ってしまう。
タイミングよくふたり分のデザートと珈琲が運ばれてきてホッとしたけれど、すぐにまたふたりっきりになってしまい、ひたすら視線を泳がせてしまう。