一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
#11『戸惑いパニック!』
「やっぱりみんな、鈴木さんと同じ話をしていたよ。交換条件に好待遇でうちに来ないかって誘われたって」
週が明けて三日が過ぎた水曜日の二十一時半。
私と海斗はふたり、誰もいない事務所で椅子に腰かけ話をしていた。
海斗は一昨日と昨日、退職した他の四人と会ってきた。そこではやはり鈴木さんと同じ話を聞いたようだ。
「それとこうも言ってた。誘ってきた男が社長令嬢直々のお話だから、安心して信じて来てくれって。笹本モーターズの社長夫妻にはひとり娘しかいない。……間違いないだろうな」
「……そっか」
やっぱり今回の件に笹本さんが関わっていたんだ。
予想していた通りの事実に重い空気が漂ってしまう。
「それで美弥の方はどうなの? あれから南さんと連絡取ったのか?」
月曜日から一度も南さんの話をされたことなかったのに、いきなり彼の名前を出されドキッとしてしまう。
「連絡は……あるよ、毎日。でも出ていない」
「そうか……だよな」
納得したように頷くと海斗は椅子の背もたれに体重を預けた。
週が明けて三日が過ぎた水曜日の二十一時半。
私と海斗はふたり、誰もいない事務所で椅子に腰かけ話をしていた。
海斗は一昨日と昨日、退職した他の四人と会ってきた。そこではやはり鈴木さんと同じ話を聞いたようだ。
「それとこうも言ってた。誘ってきた男が社長令嬢直々のお話だから、安心して信じて来てくれって。笹本モーターズの社長夫妻にはひとり娘しかいない。……間違いないだろうな」
「……そっか」
やっぱり今回の件に笹本さんが関わっていたんだ。
予想していた通りの事実に重い空気が漂ってしまう。
「それで美弥の方はどうなの? あれから南さんと連絡取ったのか?」
月曜日から一度も南さんの話をされたことなかったのに、いきなり彼の名前を出されドキッとしてしまう。
「連絡は……あるよ、毎日。でも出ていない」
「そうか……だよな」
納得したように頷くと海斗は椅子の背もたれに体重を預けた。