一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
そうだった、明後日は南さんと結納の日だった。
自分のデスクに向かい、バッグに荷物を詰めていく。
「スーツもしっかりクリーニングにかけたし、準備万端だ。……結納なんてかしこまったこと、父さんと母さんはしなかったからな、失礼のないようにしないと」
そう言いながら顔を綻ばせるお父さんに、とてもじゃないけれど一連の話をできるわけがない。
お父さんは颯馬さんのことを気に入っているし、なにより喜んでいる。今日までだって私の結婚がダメにならないようにって無理して働いてきたんでしょ?
そんなお父さんに言えるはずない。
「美弥も楽しみだろ? これからの生活とか」
「……うん」
お父さんの顔がまともに見られなくて背を向けてしまった。
そして引き出しにいれておいた貴重品をバッグに入れていく。
怖いけどやっぱり南さんに連絡しよう。いつまでも逃げてばかりじゃだめだよね。ちゃんと向き合わないと。
自分のデスクに向かい、バッグに荷物を詰めていく。
「スーツもしっかりクリーニングにかけたし、準備万端だ。……結納なんてかしこまったこと、父さんと母さんはしなかったからな、失礼のないようにしないと」
そう言いながら顔を綻ばせるお父さんに、とてもじゃないけれど一連の話をできるわけがない。
お父さんは颯馬さんのことを気に入っているし、なにより喜んでいる。今日までだって私の結婚がダメにならないようにって無理して働いてきたんでしょ?
そんなお父さんに言えるはずない。
「美弥も楽しみだろ? これからの生活とか」
「……うん」
お父さんの顔がまともに見られなくて背を向けてしまった。
そして引き出しにいれておいた貴重品をバッグに入れていく。
怖いけどやっぱり南さんに連絡しよう。いつまでも逃げてばかりじゃだめだよね。ちゃんと向き合わないと。