一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい

＃１３『シンデレラパニック！』

「社長！　どれだけ心配させれば気が済むんですか！　美弥ちゃんから聞いた時、心臓がとまるかと思いましたよ」

「だから言ったじゃないですか、しっかり休んで下さいって」

「そうですよ、森さんの冗談が現実になったらどうしようかと……！」


週明けの月曜日。お父さんが入院して三日目の夕方十八時半。

お父さんが入院する病室には、代表して森さんたち五名が仕事終わりにお見舞いに来てくれた。

「本当、みんなすまなかった。余計な心配かけちまったな」

森さんたちに申し訳なさそうに謝るお父さん。


昨日早速詳しく検査をしてもらった結果、脳に異常は見られなかった。入院時からずっと点滴をしているおかげで顔色もよくなってきている。

食事の方もしっかりとれていると看護士さんから聞いて、ホッと胸を撫で下ろした。


「本当ですよ。悪いと思うなら早く治してください。まだ忘年会やっていませんし、今年もみんなで盛り上がりましょう」

「……そうだな」

お父さんが笑うと森さんたちは安心したように笑った。