一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
どの選択が正しいのかなんてわからない。

私が後悔しない未来ってなに? どうすれば後悔せずに済むのだろうか。

その後すぐ看護士さんが病室を訪れ、面会終了時間の十九時を過ぎていることに気づき慌てて家路に着いた。

答えの出ない問題を胸に抱えたまま。



「ごめんね海斗。亜優が帰って来る日に車出してもらっちゃって」

「なに言ってるんだよ、気にするな。それに亜優が帰ってくるのは夕方だし、充分間に合うから」

海斗は気にするなっていうけれど、やっぱり申し訳なく思ってしまう。

今日でお父さんが入院してちょうど一週間の土曜日。無事に退院を迎えた。


タクシーで迎えに行って帰ってこようと思っていたんだけど、海斗が「タクシーで帰ってきたら社長が疲れるだろ?」と言って、車を出してくれると言ってくれたのだ。


「亜優、年明けまでこっちにいるって言っていたし、社長の体調が落ち着いたら美弥の家で鍋でもしないか? 亜優も社長のこと心配していたし」

「いいね、それ。楽しそう」

お父さんも亜優のこと「あの子はいい子だ」ってベタ褒めするくらい大好きだから、絶対喜ぶと思う。
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