一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
冗談じゃない。なにその理由。
亡くなった愛犬と私がそっくりだったからお見合いをした? プロポーズまでしただと!?
おまけに「ミャーって呼んでいい?」だなんて……!
考えれば考えるほど怒りが込み上げてきてしまい、拳をギュッと握りしめた。
「申し訳ありませんが、そんな名称で呼ばないでください。……それと、今回のお見合い話はお断りさせていただきます」
努めて冷静に言い頭を下げ、顔を上げると、余程予想外だったのか、彼は呆然と私を見上げたまま。
「失礼します」
ここに居続けたら、延々とイラッとするようなことを聞かされそうだ。
そんなのごめんだ。そう思い、バッグを手にドアの方へと向かっていく。
「待って、送るから」
ワンテンポ遅れて彼の声が聞こえてきた。
立ち止まり振り返り見ると、慌てた様子で立ち上がってこちらに向かってきたけれど、きっぱり伝えた。
「けっこうです。……どんなに育ちがよくたって、人のことをバカにするような人に送っていただきたくないので。はっきり言わせていただきますが、あなたは人として最低です! ……お見合いという貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました」
亡くなった愛犬と私がそっくりだったからお見合いをした? プロポーズまでしただと!?
おまけに「ミャーって呼んでいい?」だなんて……!
考えれば考えるほど怒りが込み上げてきてしまい、拳をギュッと握りしめた。
「申し訳ありませんが、そんな名称で呼ばないでください。……それと、今回のお見合い話はお断りさせていただきます」
努めて冷静に言い頭を下げ、顔を上げると、余程予想外だったのか、彼は呆然と私を見上げたまま。
「失礼します」
ここに居続けたら、延々とイラッとするようなことを聞かされそうだ。
そんなのごめんだ。そう思い、バッグを手にドアの方へと向かっていく。
「待って、送るから」
ワンテンポ遅れて彼の声が聞こえてきた。
立ち止まり振り返り見ると、慌てた様子で立ち上がってこちらに向かってきたけれど、きっぱり伝えた。
「けっこうです。……どんなに育ちがよくたって、人のことをバカにするような人に送っていただきたくないので。はっきり言わせていただきますが、あなたは人として最低です! ……お見合いという貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました」