一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
#3『訪問パニック!』
小さな事務所内。カタカタとパソコンキーを叩く音だけが響き渡る。
エンターキーを押し、両手を上げてグンと身体を伸ばしてしまう。
「疲れた……」
いつもの日常。当たり前な日々を今日も私は無事に過ごしている。
彼とのお見合いの日から二週間が過ぎた。
あの日、自宅に着くとお父さんはまだ帰宅しておらず、とりあえず家のことをしながら夕食の準備をしていたら、上機嫌で帰宅したお父さんは私の姿を見て、幽霊でも見るかのように驚いた。
「どうしてもういるんだ!?」って。
どうやら夜遅くに帰ってくると思っていたらしい。
そんなお父さんに事の経緯を話していくと、顔面蒼白。
「うちの会社もおしまいだ」とか、「退職金みんなに払えるだろうか」なんてことを、ブツブツ呟いていたけれど、そんなお父さんの心配を余所に、今のところ「契約を打ち切る」と言った連絡はない。
そんな日々が一日、三日、一週間と過ぎていくとお父さんも安心したのか、今では「やっぱり住む世界が違う男はダメだな。美弥にはもっといい男がいるぞ」なんて、調子のいいことを言っちゃっている。
エンターキーを押し、両手を上げてグンと身体を伸ばしてしまう。
「疲れた……」
いつもの日常。当たり前な日々を今日も私は無事に過ごしている。
彼とのお見合いの日から二週間が過ぎた。
あの日、自宅に着くとお父さんはまだ帰宅しておらず、とりあえず家のことをしながら夕食の準備をしていたら、上機嫌で帰宅したお父さんは私の姿を見て、幽霊でも見るかのように驚いた。
「どうしてもういるんだ!?」って。
どうやら夜遅くに帰ってくると思っていたらしい。
そんなお父さんに事の経緯を話していくと、顔面蒼白。
「うちの会社もおしまいだ」とか、「退職金みんなに払えるだろうか」なんてことを、ブツブツ呟いていたけれど、そんなお父さんの心配を余所に、今のところ「契約を打ち切る」と言った連絡はない。
そんな日々が一日、三日、一週間と過ぎていくとお父さんも安心したのか、今では「やっぱり住む世界が違う男はダメだな。美弥にはもっといい男がいるぞ」なんて、調子のいいことを言っちゃっている。