一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
どうやったらあの日のお見合いで私のことを気に入っちゃうわけ!? そっ、それともやっぱりこれは彼の復讐かなにかなの?

怒っていて優しくして持ち上げて、最後に突き落とす気でいるんじゃないの?

でなければおかしすぎる!

あの日、自分が彼に放った言葉は今もしっかり覚えている。


『どんなに育ちがよくたって、人のことをバカにするような人に送っていただきたくないので。はっきり言わせていただきますが、あなたは人として最低です!』

な~んて生意気なことを言いかましてしまいましたよね!?

それなのに、ますます私と結婚したい気持ちが強まっただと!?

怒っているからこその仕返しではないとしたら……彼はもしや、究極のドМなのだろうか。


恐る恐る彼を見ると、愛しそうに目を細め私を見据えていたものだから、慌てて視線を落としてしまった。

だめだ、全然分からない! 南さんが今、なにを考えているのかが……!

けれど困惑しているのは私だけではない。


「え……いや、ですがあの、美弥はその……お見合いの日、大変失礼なことを言ってしまったと思うのですが……」
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