一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
けれどお父さんの話しを聞いた南さんは、安心したように顔を上げ、ホッと肩を落とした。
「ありがとうございます。……ではミャーに僕と結婚したいと思っていただけるよう、精進いたします」
「ははー! ありがたいお言葉っ……! 誠にありがとうございますっ!」
江戸時代の殿様の家来のような言動を取るお父さんに、苦笑いしてしまうけれど、頭の中はやっぱり混乱状態のまま。
だってなんなの? これ。南さんは正気なの? 本気で私と結婚したいなんて言っているの?
疑いめいた目で見るものの、安心したのかニコニコ笑っていて、彼の真意を読み取ることができない。
でもこれもすべて演技だとしたら、ちょっと怖い。
本気にしてしまうほど、お父さんにお願いする姿は余裕なさそうだったから。
じゃあ本気、なの……?
うちと契約打ち切りされてしまったら、どうしようとばかり考えてしまっていたけれど、これはこれで非常に困る。
正直私、南さんのことを好きになれる自信などないもの。
そもそも住む世界が違いすぎるし、王子様みたいな人だけど、ちょっと自分とはタイプが違い過ぎる気がして、波長が合うとは到底思えない。でも――。
「ありがとうございます。……ではミャーに僕と結婚したいと思っていただけるよう、精進いたします」
「ははー! ありがたいお言葉っ……! 誠にありがとうございますっ!」
江戸時代の殿様の家来のような言動を取るお父さんに、苦笑いしてしまうけれど、頭の中はやっぱり混乱状態のまま。
だってなんなの? これ。南さんは正気なの? 本気で私と結婚したいなんて言っているの?
疑いめいた目で見るものの、安心したのかニコニコ笑っていて、彼の真意を読み取ることができない。
でもこれもすべて演技だとしたら、ちょっと怖い。
本気にしてしまうほど、お父さんにお願いする姿は余裕なさそうだったから。
じゃあ本気、なの……?
うちと契約打ち切りされてしまったら、どうしようとばかり考えてしまっていたけれど、これはこれで非常に困る。
正直私、南さんのことを好きになれる自信などないもの。
そもそも住む世界が違いすぎるし、王子様みたいな人だけど、ちょっと自分とはタイプが違い過ぎる気がして、波長が合うとは到底思えない。でも――。