一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
#4『初デートパニック!』
「美弥、その服でいいのか?」
「いいもなにも、お父さんが選んだんだよね?」
「バッグとサンダル、おかしくないよな?」
「店員さんに選んでもらったんだから、問題ないよ」
「お前、いつもと顔同じじゃないか?」
「失礼なっ……! これでもいつもより倍以上しっかりメイクしたから!」
休日の朝八時。父娘でまるでコントのようなやり取りを繰り返すこと、軽く一時間。
まだ出かけてもいないというのに、私はすっかり疲れ切っていた。
「あぁ、やっぱり心配だ。お前が颯馬さんに失礼なこと言って怒らせたりしないか」
今度は周囲をウロウロし出したお父さんに、いい加減うんざりしてしまう。
するとお父さんはハッとなにか閃いたのか足を止め、名案だと言わんばかりのドヤ顔でとんでもないことを言い出した。
「父さん、変装してデートについていくっていうのはどうだ? 美弥がピンチに陥ったらすかさず助っ人に入るぞ!」
とんだ提案話に呆れ果てて、言葉が出てこない代わりに深い溜息を漏らした。
「いいもなにも、お父さんが選んだんだよね?」
「バッグとサンダル、おかしくないよな?」
「店員さんに選んでもらったんだから、問題ないよ」
「お前、いつもと顔同じじゃないか?」
「失礼なっ……! これでもいつもより倍以上しっかりメイクしたから!」
休日の朝八時。父娘でまるでコントのようなやり取りを繰り返すこと、軽く一時間。
まだ出かけてもいないというのに、私はすっかり疲れ切っていた。
「あぁ、やっぱり心配だ。お前が颯馬さんに失礼なこと言って怒らせたりしないか」
今度は周囲をウロウロし出したお父さんに、いい加減うんざりしてしまう。
するとお父さんはハッとなにか閃いたのか足を止め、名案だと言わんばかりのドヤ顔でとんでもないことを言い出した。
「父さん、変装してデートについていくっていうのはどうだ? 美弥がピンチに陥ったらすかさず助っ人に入るぞ!」
とんだ提案話に呆れ果てて、言葉が出てこない代わりに深い溜息を漏らした。