一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
「しっ、仕方ないじゃないか! 向こうは大取引様の御曹司だぞ? どういうわけか美弥を気に入っているって言われたら、美弥を差し出すしかないだろう」
言い訳を言ってくるお父さんに、ますますイラッときてしまった。
「あのさ、私はモノじゃないんだからね? 簡単に差し出すとか言わないでよ。第一私の気持ちは?」
正論を言ったというのに、お父さんは引き下がらなかった。
「もちろんお前の気持ちも大切にしたいさ。だが考えてみろ。ご機嫌損ねたら俺たちだけではない、従業員みんなを路頭に迷わせることになるんだぞ?」
うっ……! それを言われてしまうと、なにも言えなくなる。
「それに相手はどうしようもない、ただの能天気な御曹司ではない。仕事もデキて、容姿も完璧な颯馬さんだからこそ、安心してお前を差し出せるんだ。はっきり言って美弥、今の状況、まるで現代版シンデレラだと思わないか?」
熱く語られたって、こっちは顔を引きつらせるばかりだ。
「なにが現代版シンデレラよ。私は別にシンデレラになりたいわけじゃないし。普通の人と普通の幸せを感じられたら充分だから」
ばっさり言うとお父さんは目を見開いた後、困った顔を見せた。
言い訳を言ってくるお父さんに、ますますイラッときてしまった。
「あのさ、私はモノじゃないんだからね? 簡単に差し出すとか言わないでよ。第一私の気持ちは?」
正論を言ったというのに、お父さんは引き下がらなかった。
「もちろんお前の気持ちも大切にしたいさ。だが考えてみろ。ご機嫌損ねたら俺たちだけではない、従業員みんなを路頭に迷わせることになるんだぞ?」
うっ……! それを言われてしまうと、なにも言えなくなる。
「それに相手はどうしようもない、ただの能天気な御曹司ではない。仕事もデキて、容姿も完璧な颯馬さんだからこそ、安心してお前を差し出せるんだ。はっきり言って美弥、今の状況、まるで現代版シンデレラだと思わないか?」
熱く語られたって、こっちは顔を引きつらせるばかりだ。
「なにが現代版シンデレラよ。私は別にシンデレラになりたいわけじゃないし。普通の人と普通の幸せを感じられたら充分だから」
ばっさり言うとお父さんは目を見開いた後、困った顔を見せた。