一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
お父さんも知らなかったようで、視線を落とした。
「そうでしたか、すみません。変なことを聞いてしまい」
「いいえ、全然です。……僕にも一枚だけあるんです。母と一緒に映っている写真が」
「え」
そう言うと南さんはページを戻り、私が生まれた直後、お母さんとお父さん三人で映っている写真を指差した。
「こんな風に、生まれたての僕を抱いて泣きながら笑っている母と父との、三人での写真が。……今でも僕の宝物です」
「南さん……」
切ない感情が込み上げてきてしまい、たまらず唇をギュッと噛みしめた。
「本音を言えばミャーみたいに、色々母から教わりたかったですが、今は命と引き換えになるかもしれないとわかっていながら、それでも僕を産んでくれた母に感謝しています。だからこそ、こうしてミャーと会えたんですから」
「颯馬さん……っ!」
涙脆いお父さんは堪え切れず涙し、慌てて手で拭っている。
けれど正直私も涙腺が緩んでいた。南さんのお母さんの気持ちを想うと、胸が痛い。
「そうでしたか、すみません。変なことを聞いてしまい」
「いいえ、全然です。……僕にも一枚だけあるんです。母と一緒に映っている写真が」
「え」
そう言うと南さんはページを戻り、私が生まれた直後、お母さんとお父さん三人で映っている写真を指差した。
「こんな風に、生まれたての僕を抱いて泣きながら笑っている母と父との、三人での写真が。……今でも僕の宝物です」
「南さん……」
切ない感情が込み上げてきてしまい、たまらず唇をギュッと噛みしめた。
「本音を言えばミャーみたいに、色々母から教わりたかったですが、今は命と引き換えになるかもしれないとわかっていながら、それでも僕を産んでくれた母に感謝しています。だからこそ、こうしてミャーと会えたんですから」
「颯馬さん……っ!」
涙脆いお父さんは堪え切れず涙し、慌てて手で拭っている。
けれど正直私も涙腺が緩んでいた。南さんのお母さんの気持ちを想うと、胸が痛い。