moon~満ちる日舞う少女~【上】
美「…ありがと南」
南「…陸、美月に何言ったん?」
陸「は?俺は何も言ってねぇよ」
南「じゃあなんで美月はまた…」
美「南…っ!」
南「美月…」
美「陸はなにも…私が悪いの!…昨日の件は、私のせいだから」
陸「なら姫に…!」
美「……私を守れないほうが修也達は気にするって言ったよね?それは、私になにかあれば修也達は傷つくってこと?」
美「…おそらくな。…なんであの時無理矢理でも姫にしなかったか。どうしてもっと守ろうとしなかったかって自分を責めると思う」
…私は守られたくなんかない。けど、どうしてかな。…私と同じような気持ちになって欲しくない。
美「…わかった」
南「美月?!!」
美「…西欧って言うのが片付くまでの間だけ」
陸「…あぁ。修也たちには俺から伝えとくから」
そういって陸は私を1度睨んで自分の教室に向かって歩き出した。
南「いいんか?」
美「うん。それまでは夜舞に行けなくなるかもだけど…。それに…」
南「ええよ。美月がそう決めたんならみんな何も思わんよ」
美「南…」
南「それよりも…さっきの症状…」
美「うん。大丈夫だよ。いいところに来てくれたし。ありがとね」
南「…あぁ…」
守られるなんて、大っ嫌い。…だって誰かが私のために傷つくってことでしょ?私は見てるだけでなにも出来ない。
そんなの歯がゆくって、苦しくって、すごく嫌。
だけど…修也達が傷つくっていうなら…。今回だけは…私がお姫様になろう。
椅子の上でただ全てをみるだけのお姫様に。
そう、ナイト達の前だけは……