moon~満ちる日舞う少女~【上】
~馬村side~
舞月がっ!!
俺はもう殴ったってダメージすら与えられないくらい体力がもうない。だからせめて盾になるくらいしようっ。そう思って飛び出すが仕草が俺を止めた。
馬「仕草さんっ!!!」
けどこのままじゃ舞月がー。
美「なに心配そうな顔してんだよ。馬村」
舞月は俺の顔を見てそういった。
ーバキッ!!!!!ー
後ろに吹っ飛ぶ体を俺はただ見ていた。
美「私がやられる?……調子にのんな」
バランスを崩したあの状態であんなに相手を吹っ飛ばす女…舞月をみて、まるで幼い頃に流星を見た時のような感じがあった。
その強さ…圧倒的な力。わかってしまった。…こいつには絶対適わないって。そのカリスマ的な力に見入ってしまう。
馬「すげぇ…」
噂。そう言ってた自分に言ってやりたい。…舞月は最強なんだって。
美「なにボケっとしてんだよ」
みとれてしまっていた俺をみて吹き出した舞月。
仕「馬村、まだいけるな?」
挑発してんのかよ。仕草さんはっ
馬「当然っ」
それからも舞月は俺の何倍もの人数を簡単に倒していく。
馬「もうたくさん倒したはずなのになんだよこの人数!!!」
ただ舞月がいるからと言っても敵が弱いわけじゃない。
ーブッブー!ー
南「美月ぃぃぃい!!!」
だけどそこに夜舞のやつらが来てくれた。
そいつらも俺とは比べられねぇほど強い。
これが夜舞。これがトップなんだ…。トップファイブと呼ばれる俺達との差はどのくらいなんだろうか。…ひとつわかるのは、今の俺らじゃ夜舞には適わないということ。たくさんの族が敵視するのではなく、憧れる理由はここにある。
馬「かっけぇ」
俺もそのうちの1人になってしまったようだ。