俺様社長に飼われてます。


「でも、何であんなに怒っていたのかわからなくて」

「……そりゃあ、未央ちゃん。ダメよ。アタシがそーちゃんなら首輪でもつけて窓もない部屋に閉じ込める勢いよ」


真顔で言う柳谷さん。隣で赤羽さんが宙を仰いで「あー……うん」とか言っている。


2人は高山さんが怒った理由がよくわかっているみたいだけど私にはさっぱりわからない。

思い当たる節といえば、自分の所有物が勝手にどこかへ行ったからだろうか。それにしたって、あんなに怒ることはないじゃないか。


「俺、まずいことしましたかね」

「赤羽くんは何も悪くないわ……」


私だけを取り残して2人が悲壮感漂う雰囲気で何かを言い合っている。私はこれ以上言えることも何もなくて、再びペットボトルの飲み口に口をつけた。


「あーもう、この鈍感ちゃん。形だけ謝らせたって意味がないし……どうしましょ?」


柳谷さんが頭を抱えるようにして何かを考えているようだった。


やっぱり連絡をしなかったのがまずかったのか。でも、状況が状況だったし仕方ない。

色々と考えて、やっぱり素直に無断外泊について謝ろうとかと覚悟を決めたと同時に撮影再開の声が掛けられた。


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