俺様社長に飼われてます。
「……ガキじゃ、ないもん……」
たっぷり間を置いて、やっと出た反論の言葉は弱々しい。それをはねつけるように高山さんは馬鹿にしたように肩をすくめて、笑う。
「赤羽と寝たんだもんな」
その言葉に、カッと身体が熱くなるのを感じた。
それが怒りなのか羞恥心によるものなのか、今の私には冷静に判断が出来ない。
何でそんな言い方をされなくちゃいけないの?どうして高山さんはそんなに怒っているの?
言いたいことはたくさんあるけれど、何一つ上手く言葉にできない。
耐え切れなくなって彼から視線を逸らすように顔を正面に戻すのとほぼ同時に空気が動くのを肌で感じた。
「!何」
先ほどまで私の背後にいたはずの高山さんは、幾度かの瞬きの間に私の目の前に立っていた。
両脇に手が差し込まれたかと思えば、強い力で抱き上げられる。
視界が二点一転して、チカチカする。ようやく目が慣れて視界に飛び込んできたのは、見慣れた寝室。
大体私が先に布団に入りいつの間にか高山さんが隣で寝ていることが多いから、こうして一緒にベッドに入るなんて初めてだなぁ、なんて呑気なことをぼんやりと考える。