俺様社長に飼われてます。
「……考え事か?」
私の反応が気に食わなかったらしい高山さんは普段の三割増しくらいで眉間にしわを寄せて、私の首元にまとわりつく長い髪の毛を指先で払うような動作をした。
冷静になって状況を確認するとここは寝室で、ベッドの上。
そこに組み敷かれているということは――馬鹿な私にだって、高山さんが何をしようとしているかなんてわかる。
「高山さ、」
むせ返りそうなほどに濃い香水とアルコールの匂い。恐らく高山さんの香水ではない。
じゃあ誰のかと考えると、脳裏を過ぎったのは色素の薄い茶髪の美女だった。
そのことに気を取られていると首筋にチクリと痛みが走って、思わず小さく悲鳴を上げてしまった。
血の気のない冷たい指が私のまとっている無地のTシャツの裾をめくり上げてお腹に触れる。