俺様社長に飼われてます。
「や……やだっ……!」
触られたくないとか怖いとか、そんな感情よりも真っ先にこの人を犯罪者にしたくないと言う一心で彼の肩を押し返した。
重苦しい沈黙が降りて――それを破ったのは高山さんだった。
「赤羽はよくて、俺はダメなのか」
そう言った高山さんはどこか寂しそうで、悲しそうだった。
「高山さん、私」
言いかけた言葉は高山さんの大きな手が私の口を覆ったことで遮られた。
「シャワー浴びてくる」
無意識のうちに息を止めていた。
高山さんの手が口元から離れて、彼の姿がフラフラと扉の向こうに消えていくのを見届けて、ようやく息を吐く。
「赤羽さんとは、何もないよ」
伝えられなかった言葉を呟けば、静かな部屋に虚しく響いた。
どうして私と彼は一回りも離れて生まれてきたんだろう。
そんなことを考えながら、白い壁に掛けられたカレンダーに視線をやる。
あと少しで、私の18歳の誕生日だ。