俺様社長に飼われてます。
「俺はお前のことが好きだ」
「……ほぁっ!?」
突然投下された爆弾に勢いよく起き上がると高山さんのおでこに頭突きすることになってしまった。
「……す、すみません」
「お前……」
頭突きされたおでこを押さえて私を睨みつける高山さんは心なしか少し涙目になっていた。
ムードの欠けらも無い展開に思わず二人で顔を見合わせて吹き出した。
「高山さん、私17歳ですよ」
遅生まれの私は同級生よりも歳を取るのが遅い。高校卒業を迎えたといえど、まだ年齢的には女子高生だ。
「もう18になるだろう」
先刻高山さんに奪い取られたネックレスが目の前に掲げられる。
自然な動作でチェーンを外されたかと思えば、鎖骨から首筋にかけて冷たく感覚がして目を細めた。
「お前、これをプレゼントされる意味、わかるか?」
「……誕生日おめでとう?」
思いつくのはそれしかなくて、首を傾げながらそう言うと肩をチョップされた。
「お前は本当にムードも何も無いな」
呆れたようにため息をついて、高山さんは私の首に自ら付けたそのアクセサリーを指先ですくい上げて、リング宝石がついた部分に口付けを落とすように、唇を寄せた。
「お前を独占したい」
色気のある艶やかな唇が離れて、男は獲物に狙いを定めた獣のような鋭い瞳のチラつかせた。
「お前の18歳の誕生日の夜――お前を抱く」
そう言って、私の唇に自分のそれを寄せた高山さんはわざと焦らすように唇には触れず、唇の端にギリギリ触れない頬の部分に口付けを落とした。