俺様社長に飼われてます。



「そーちゃんと付き合い始めたんでしょ?2人を見てたらわかるわ」


恐ろしいほどの鋭い観察眼。伊達に1日に何人もの人と関わっていないようだ。

顔から血の気が引いたかと思えば恥ずかしさで顔が熱くなる。目を白黒させる私に柳谷さんは困ったように唇に手を当てて首を傾げた。


「大丈夫、あたしは誰にも言ったりしないわよ」


「は、はい……」


彼はとても信用できる人だから、そこは心配していないんだけど。私と高山さんはそんなにわかりやすい態度だっただろうか。

付き合ってるといっても一線は超えていないから大丈夫だと思いたいけど、万が一変な噂が流れたら高山さんとの立場が危うい。


「さ、今日はもう帰りましょ。明日のためにしっかり休んでおくのよ?」


これ以上の追及や関連した話をすると私が困ると思ったのか、柳谷さんはパッと話を切り替えて私の手を優しく取った。


こういう察しの良さとバランス感覚の良さも、柳谷さんが色々な人に一目置かれる理由なんだろうな。


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