俺様社長に飼われてます。
「高山さ……」
声をかけようと顔を上げようとすると、大きな手が私の頭の上に乗せられた。
そのまま高山さんはリピート再生されている映像をじっと見つめて、しばらくして顔を上げたかと思うとプロデューサーと何かを話しているようだった。
「それじゃあ篠原クン、もう一度だけ撮ってみようか。これがダメだったらさっきのを使うね」
つまり、次が最後のチャンス。
一瞬頭が真っ白になって固まっていると、頭に乗せられた手がくしゃりと私の髪の毛をかき回すように動かされた。
「大丈夫だ。俺に任せろ」
そう言って離れていったぬくもりに顔を上げる。何を思ったのか高山さんはスーツのジャケットを脱いでワイシャツのボタンをはだけさせている。
悲鳴を上げそうになるのを抑えて慌てて顔を手で覆って視線を逸らす。
いつの間にか先ほどまでいた撮影相手の男の人は居なくなっていた。用事ができたんだろうか。