俺様社長に飼われてます。
「未央」
突然腕を引かれて身体が後ろに傾く。
高山さんが受け止めてくれたらしく、視線を後ろにやると、高山さんのはだけた胸元が見えて思わず驚いた猫のように飛び上がった。
状況が読めなくて口をぱくぱくさせていると、そのまま高山さんに引きずられるようにして撮影のためにセットされたベッドまで連れて来られた。
「な……何……」
「おいで」
優しい声で言って、高山さんは自分から抱きつけと言わんばかりに両腕を広げてベッドに腰を下ろした。
妖しげな色気を放つ男を前にして、ぼんやりと熱を持ったように頭が熱くなる。
手を伸ばしてそのがっちりした肩に手を置くと視線が絡んで、高山さんの唇が弧を描いた。
自然な動作で腕を引かれて、次に瞬きした時には高山さんの膝の上に跨って座る形になる。
「た、高山さん……?」
抗議の声を上げようとすると高山さんの左の人差し指が私の唇にあてがわれ、私は息を呑んで黙り込んだ。心臓が張り裂けそうなくらいに脈打って痛い。
唇にあてがわれた指先がするりと降りてきて、まるで猫とじゃれるようにアゴを撫でられる。