俺様社長に飼われてます。


「俺を見ろ」


熱っぽく囁かれて、言われた通りゆっくり瞬きをしてから高山さんを見ると視線が絡まるようにしてぶつかった。

どちらからともなくベッドに倒れ込んで、曇のない宝石のような瞳に吸い込まれるようにして唇を高山さんのそれに寄せる。


「はい、カット!」


割り込んで来るように響いた第三者の声に私はハッと我に返って勢いよく高山さんから離れた。


「篠原クン、今までよりずっと良かったよ!」


ようやく納得する画を撮れたのか興奮した様子でプロデューサーを始めとしたスタッフ達が色めき立つ。


「あ、ありがとうございます……」


今、私は何をしていた?

無意識下に、本能的に――撮影だということを忘れて高山さんを求めようとしていた。


自分のしたことを思い出して恥ずかしさで死にそうになっていると、後ろからいつも通りのクールな雰囲気に戻った高山さんが私の頭に手を置いた。


「良かったな」


先ほどのことに気付いていないのかあえてスルーしているのかはわからないけれど、いつもと変わらない様子の高山さんにほっと胸を撫で下ろして疑問をぶつけた。


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