俺様社長に飼われてます。


「……嫌じゃない……」


私と同じように瞳の奥に確かに熱を孕ませた男は、口角を上げて艶やかに微笑んだ。

大きな手がTシャツをまくり上げて、無防備なお腹を撫でる。


「でも、そ、ソファーじゃ……嫌です」

「今日は最後までしない」


今日"は"?"最後までしない"?

私にとって情報量の多すぎる一言に頭を混乱させていると、さらりと梳くようにして前髪をかき上げられて無防備になった額に熱い唇を落とされた。


「せっかくだ。初めてはもっとムードのある場所の方がいいだろう?」


私が熱を出した誕生日の夜のことを思い出す。

大げさな言い方だけど、高山さんは果たせなかった約束をきちんと果たしたいんだと思う。


「未央」


絡め取られていた手が解放されたかと思うとまるでお姫様をエスコートするかのように恭しく手を取られた。


「お前からも俺に触れてくれないか」



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