俺様社長に飼われてます。


「行くぞ、未央」

「……私も?」


まだ夢の中にいるようにぼんやりとそのやりとりを聞いていると突然高山さんがこちらに向き直った。

寝起きなのに癖一つない黒髪がさらりと揺れる。


「できるだけ一緒の時間を過ごしたい。それじゃ理由にならないか?」


真剣な顔が昨夜の彼と重なって見えて、頬が熱くなる。

キスして、されて。

抱き締められて、抱き締めて。

ただそれだけなのにこんなに恥ずかしい。これ以上だなんて、私はいつか彼に殺されてしまうんじゃないだろうか。


なんて考えながら、クローゼットから適当な服を見繕って引っ張り出した。高山さんと同じ香りがして、やっぱりまた照れてしまう。


「どうした?」

「……いえ」


とっくに着替えを済ませた高山さんが服を握り締めて固まったままの私を訝しげに見る。

私はそれを苦笑いで誤魔化した。



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