俺様社長に飼われてます。
Epilog 俺様社長と家族になります。


眩しい太陽の光とたくさんの祝福の声。

開かれた木製の扉の向こうに見える、見たこともない景色に思わず目を細める。


「柳谷さん、泣きすぎですよ」


家族や親戚のいない私のためにエスコートボーイとして一緒にバージンロードを歩いてくれることになった柳谷さん。

それなのに、式が始まる前から号泣してついに扉が開かれてしまった。


「だって……だってぇ……」


黙っていれば一目を引く美青年だと言うのに。

今にも泣き崩れてしまいそうな柳谷さんを見て、素性を知っている人は小さく笑い声を上げて、何も知らない人たちは少し引き気味にしている。

そんな光景に私は苦笑いをこぼして、柳谷さんの腕を軽く引っ張った。


「世界一綺麗よ、未央ちゃん」

「柳谷さんがメイクしてくれたんですから」

「もう、そうじゃなくて」


小声でそんな軽口を叩きながら色とりどりの花を散りばめられたバージンロードを歩く。


彼のメイクの技術は本当に一級品だ。
それとは別に、こうしてメイクを施した相手に最高の褒め言葉を渡してくれる。

彼の言葉を受け取れば、まるで魔法にかけられたように背筋が伸びる。彼はきっと魔法使いなんだ。


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