俺様社長に飼われてます。
身体から湯気を出してホカホカした気持ちで更衣室を出ると、香ばしい食べ物の匂いが立ち込めた。
服は男の所有物であろう、ブカブカのスウェットを着用した。
当然だが下着はないのでそのまま。
「男物で悪いな」
お風呂から上がった私に気付いたその男は横目で私を見ながら、キッチンに近いテーブルに平皿を置いた。
香ばしい匂いの正体はパスタのようだった。
「いえ、別に……」
「明日にはお前用に色々と手配したものが届くはずだ。今夜は我慢してくれ」
その言葉に、私は思わず弾かれるように顔を上げた。
「あの、ここまでお世話になっておいて失礼ですが……私はいつまでここにいれば……?」
もごもごと口ごもりながらなんとか紡いだ言葉、男は湯気の立つスープカップをテーブルにセットして私に一瞥もくれず言い放った。