俺様社長に飼われてます。


「お前にくれてやる」

「はあ、どうも……」


足元にあった小箱の一つを拾い上げて開けると中から小さな小瓶が出てきた。可愛らしいピンク色の液体が小瓶の中でゆらゆらと揺れている。

小瓶の裏側を見れば、"リキッドチーク"との表示。


確かに化粧品のようで、初めはグロスか何かかとも思ったけどそれとも違う。

でも、こんなチーク見たことがない。


「何ですかこれ?」

「本当に何もわからないのか」


化粧品のことを言っているんだろう。

今朝も話したように、私は今まで化粧をする機会がなかったので化粧品には詳しくない。チークと言えば粉のものしか見たことがないし、液体状のチークなんて初めて見た。

無知な私に対しての呆れた声に反して、高山さんはあまり表情を変えていない。


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