俺様社長に飼われてます。


「やめろ。今まで通りの不遜な態度でいい」

「不遜に見えてたんですか私の態度は」


ふそん。学校で習ったぞ。思い上がった様子だとか、うんぬん。


「時々こうしてお前に試作品を使ってもらいたい。何でもいい、使ってみて思ったことを教えて欲しいんだ」

「え、あ……さっきのルージュ……。ちょっと、ベタつきが気になったかも」


ぽかんとしたままでそう言うと、高山さんはバカ真面目に私の言ったことを手帳に記したようで真剣な顔をして筆を動かしている。


「……ふむ。参考にしよう」


リアルな女性の意見を生で聞ける機会なんて早々ないからな、と呑気に呟く高山さんに私はクラクラと目を回していた。


……もしかして私、とんでもない人に買われてしまったのでは。


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