俺様社長に飼われてます。
ガタガタと時折揺れ、跳ねる身体。
まぶたを刺激する光に意識を現実へと引き戻された。
若干の違和感は残っているものの、手足が動くことを確認して私は頭を動かして辺りを見る。
酷い頭痛と、下腹部の痛みに襲われた。
「どこに、行くの……」
小さな呟きは広い車内では誰にも届かない。
特注なのだろうか。市営バスよりも小さくワゴン車よりは大きい。
私はその最後部座席に寝かせられていたようだった。
窓は一面小さな遮光カーテンで覆われているためここが何処なのかはわからない。
「……逃げなきゃ」
呟いた時、ブレーキをかけられたのか揺れとエンジン音が落ち着いたものに変わる。
今しかない――指がもつれながらも急いでロックを外して、扉を押し開ける。