俺様社長に飼われてます。


最上階にはエレベーターを下りてすぐの広場が応接室となり、大きな水槽や上質そうなテーブルやイスがあった。

少し進むといくつかの扉がある。


真ん中に社長が主に仕事をするデスクスペースがあり、その右隣には仮眠室。

その隣にはシャワー室と給湯室(扉を開けてみたら普通に冷蔵庫やシンク、食器棚もあり軽くキッチンのようになっていた)があってその更に横は書斎があった。


「もうここに住めそうな感じありますよね」


給湯室で四苦八苦しながら淹れた煎茶を持ち運びながら私がぽつり、とそう感想を漏らすと高山さんは表情を変えずに頷いた。


「仕事が忙しい時期はよく会社に寝泊まりするからな。もうどっちが自宅かわからん」


そう言われて室内を見回すと、替えのスーツや男性用の化粧品など数は多くないが彼の私物らしき物が見受けられた。


それ以上のお喋りはするつもりはないらしく、高山さんは自分のデスクに座って書き物をし出した。

その近く、邪魔にならない場所にお茶を置けばありがとうと礼が返ってくる。


仕事の邪魔しないように、そっと物音を立てないようにして自分の与えられた仕事に向き直る。


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