俺様社長に飼われてます。
「化粧品開発、販売を主体として、うちの会社はメイク雑誌も出版してるのよ?最近は協力してくれるファッションブランドの会社さんもたくさんいるから、近々ファッション雑誌も創刊する予定なんだけど」
「そんな凄い会社なんですね……」
さすが世界を虜にする化粧品会社。
あんまりよく知らなかったけど。
「ああ、そうそう。それでアタシはこの会社でスタイリスト兼メイクアップアーティストとしてお仕事をさせてもらってるの。柳谷 要(やなぎや かなめ)よ。カナちゃんって呼んで!」
「早く出ていけカナちゃん」
「やだぁ、鳥肌立ったわそーちゃん」
感情の一切ない低音ボイスでカナちゃん、と呼ばれた柳谷さんは顔面蒼白で自分の身体を抱き締めるように粟立つ肌をさすっている。
やり取りを見ているあたり、この2人は仲が良いというか、お互いに一目置いている人物なのだということが伺える。